1月22日

What I want 【可憐×咲耶】



ああ、今夜もあの娘の所に行くんだね。

気紛れな貴女の心を繋ぎ止めるつもりは無いけれど・・・

繋ぎ止めて欲しい。

私を、貴女の心に。

私の口にする『言葉』には愛情が募っていく。

貴女の口にする『言葉』は空っぽの、上辺だけの物に変わっていく。

信じていた愛情は罅割れた言葉から流れ出し、あの娘の元へ向かう。

あの娘の倖せが羨ましい。

自分と立場を摩り替えてしまいたい。

其れをすれば、貴女は愛してくれるのだろうか?

昔、貴女は云った。

『貴女は貴女らしく、精一杯生きていれば良いと思うわ』

私はハッとした。

私にとって、やってはいけない事。

其れは『今の自分では無くなる事』

やってしまったら、もう其処には何も残らないだろう。

けど・・・

『今の私』を貴女は愛してくれていない。

『今の貴女』が愛しているのは『今のあの娘』

『今の私』が『今』にあればあるほど、『今』は『過去』へと変わっていってしまう。

如何すれば・・・如何すれば良いの?

離れていってしまう。

貴女が遠くへ行ってしまう。

貴女が恋しい。

胸が苦しい。

『好きだ』と云われたい。

『愛している』と云って欲しい。

愛が欲しい。

愛が欲しい。

愛が欲しい。



私ハ如何スレバ良イノ・・・?





貴女は知らない。

貴女は自分が何を知らないのかを知らない

そして、何故知らないのかを知らない。

貴女の知らない事。

其れは『自分らしくいる事』が『変わらない事』では無いと云う事。





1月9日

透明なマニキュア 【可憐×咲耶】



愛は此処にある。

貴女は其処にいる。

たった一つ、足りないモノ・・・

私は今何処にいるの・・・?



「ゴメンね」の一言で待ち合わせに遅れた事を微笑って許してくれた貴女。

その時の「フフッ」って笑う貴女が綺麗だから、真似してみる。

其れは本当の私では無いけど。

私の色は何処にあるの?

・・・なんて、誰も知らないよね。

貴女のマニキュアの色を真似して塗って、また貴女に逢いたい。

今日こそは自分の色が見つかるかな、って期待して。

そして、今日もまた肩を落とす。

貴女の色がどんどん綺麗に見えてきて、自分の色なんて如何でも良いって思うときもある。

貴女の色を真似する事すら不可能になっていく。

だから、また透明なマニキュアを塗る。

塗っても、ちゃんと綺麗に塗れているか良く分からなくて、曖昧で。

何度も重ねて塗ってみる。

それでも、色は見えない。

ずっと透明。

ずっと不完全。

溜息を吐いて、貴女のマニキュアの色を其の上からまた塗る。

そして、マニキュアを乾かしながら、また思う。

私は何処にあるの・・・



何時気付く?

透明で何の曇りも無い其れが貴女の本当の色である事に・・・





12月23日

DEVIL†DEATH
【咲耶×可憐】



今からでも間に合うかな?

スタートで出遅れた分。

まもちゃんは咲耶ちゃんと本当の姉妹だから、ずっと一緒にいた。

私は、五歳の時に咲耶ちゃんに出逢った。

その五年間分の差。

でも、其れだけじゃダメだって事は分かってる。

間に合うだけじゃダメ。

まもちゃんを追い抜かして、貴女に近付かないと。

貴女の心に近付きたい。

まもちゃんに嫌われたい訳じゃない。

ただ、貴女を手に入れたい。

欲張りかな?

でも、貴女が教えてくれたんだよ?

目標は高く持つように、って・・・

だから、貴女を目標にしたよ。





12月8日

REVERSE MAGICIAN†REVERSE EMPEROR
 【可憐×花穂】



『貴女が好きです』

ずっとしまっていたこの気持ち。

伝えたらあの娘は如何思うのだろう?

私の最も望んでいる答えを返してくれるかな?

あの娘が私の事を嫌いな筈は無い。

そう、絶対に私の希望は叶うはず・・・

『・・・何時まで逃げてるつもりなの?』

・・・全部夢だって思いたかった。

だけど・・・それは全て現実。

目覚めれば消えてしまう、素晴らしい夢とは違う。

重りとなって、自らに重ねられていく現実。

其れから目を逸らしても、其の目は自分の物。

自分が自分でいる事は逃れられない。

自分があの娘を好きだった事実からも逃れられない。

あの娘が私の望む物とは違う気持ちだった事も逃れられない。

自分の気持ちに焦りすぎて目の前の彼女を見ていなかった。

だから、あの娘が去っていくのも見えなかった。

私は自分の未熟さを憎みながら、自分が自分である事に怒りを憶えながら、悲しみを雫にして流した。

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