SPECIAL THANKS






初めてその娘と目が合ったとき、その娘は不安そうにしながらもニッコリと微笑んだ。
その無垢で汚れの無い眩しい瞳に、眩暈が起きそうだった。
そして、躰が勝手にその娘の近くへ歩みだしていた。
如何してかは分からない。
ただ、その娘に近づきたかった。
惹かれていた。

「初めまして、亞里亞ちゃん。姫の名前は白雪って云うんですの」










亞里亞ちゃんは多分、姫とは血の繋がらない可愛い可愛い妹。
銀色のとっても綺麗なクルクルの髪の毛に、フリフリの・・・そう、フランス人形さんが着ているようなお洋服を着ているんですのよ。
そんな姫の大好きな亞里亞ちゃんの為に、今日は美味しい美味しいピーチパイを作ってあげてるんですの。
も・ち・ろ・ん、姫が腕によりをかけて作るから、絶対に満足して貰えるに決まってるんですの!
さぁて、次は甘くて美味しそうなじっくり熟れた白桃を切るんですの。
白桃に包丁の刃を切れ込ませると、ジワッと良い匂いがして、果汁がたっぷり出てきました。

「美味しそうな・・・匂い、する・・・」

そしたら姫の横に居た亞里亞ちゃんが、姫のエプロンを軽く引っ張って嬉しそうな顔を見せてくれましたの。
それだけで姫は、亞里亞ちゃんの為にしてあげられる事が有って良かった、って思えるんですのよ。

「出来るだけ早く作りますから、もうちょっとお待ちになってくださいね」

姫はウインクしながら、白桃の一欠けらを亞里亞ちゃんのお口にアーンってしてあげましたの。
白桃みたいに柔らかいほっぺに両手を当てて嬉しそうに微笑む姿は本当に可愛くて・・・・・・けどけど、普段もすっごく可愛いんですのよ・・・・・・とにかく、ギューッてしちゃいたくなっちゃうんですの。
けど今は、包丁を持ってるから我慢我慢・・・ですの。
さぁて、次は・・・


「亞里亞ちゃん、其処のテーブルの上に置いてある白いお皿を取ってくれるかしら」

「は、はい・・・・・・」

姫がお願いすると、先刻の桃の小さな一欠けらをまだ半分くらいしか食べ終わってなかった亞里亞ちゃんは、慌てて口に入れました。
何時もよりも少し急いだような、急いでないような早さでお皿の所まで歩いて行きました。
姫が取りに行った方が早かったかな?なんて、思っちゃった。
もしかして、姫って嫌な娘ですの?
あ、亞里亞ちゃんがお皿を持ってきてくれましたの。

「あ・・・・・・」

姫にお皿を渡すと、亞里亞ちゃんが姫の顔をジッと見て暫らく止まりました。
な、何だか・・・ドキドキして来ちゃいましたの・・・

「ど、如何したんですの?亞里亞ちゃん・・・」

姫は痺れを切らせて訊いちゃいました。
すると・・・・・・

「桃、美味しい・・・」

姫は、気が抜けてしまいました。
亞里亞ちゃんは先刻の桃が美味しかったのを伝えたかっただけなのに、姫はドキドキしちゃって・・・

「キャー!亞里亞ちゃん可愛い過ぎですの〜!」

だから、思わず抱きついちゃいました。
それに、美味しいって云った時の亞里亞ちゃんが、姫の一番大好きな亞里亞ちゃんの表情だったから、とっても恥ずかしかったんですの。
亞里亞ちゃんは姫が大きな声を出したから少しビックリしちゃってたけど、姫の事をそっと抱き返してくれたんですの!
今度は姫がビックリしちゃいました。
そしたら、姫ったら照れ隠しに・・・

「さ、さぁて!姫特製ピーチパイの続きを作るんですの!」

なんて云っちゃいました。
本当はもうちょっとそうしていたかったんだけど、ね。
けど、亞里亞ちゃんは・・・

「わ
―――い!亞里亞・・・早く食べたい、な・・・」

亞里亞ちゃんがあんまり可愛いから、姫は気を取り直して頑張っちゃう事にしましたの!










後はウキウキ気分で鼻歌なんて歌いながら、チャッチャと作っちゃいましたの。
え?ピーチパイは如何なったかって?
姫が作ったんですのよ?
それも、亞里亞ちゃんの為に!
キャー!!
勿論大成功したに決まってるんですの!
美味しくないわけ無いんですの!
亞里亞ちゃんは姫が頑張れる隠し味みたいなものなんですの。
だ・か・ら、姫の可愛い亞里亞ちゃんは誰にも渡さないんですのよ。
そう、千影ちゃんだって恋のライバルなんですの!
絶対に負けないんだから!




FIN


何でしょうか・・・このヤオイ(ヤマなし、オチなし、イミなしの略)な小説は。
終止ラブラブラブラブラブラブしてるだけのような気が・・・
と云うか、この二人だとシリアスムードは無理ですよ。
一応、原作風な進め方をしてみました。
と云うか、ずっと一人称で話しているっぽくしただけなのですが。
2001.12.09 【最終更新:2001.12.09】

     

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