平成15月5月6日 電気人形
 次はミイラとは、何かについて………ミイラは簡単にイメージして貰うなら………乾燥した死体………そして、恐らくミイラと云えば………古代エジプトが真っ先に思い浮かぶと思う………実際は別の国々でもミイラは残されているの上………目的や保存方法も其々異なるのだが………今回の話は………古代エジプトのミイラに限った話を………させてもらう…………人間は死せると魂は肉体から離れる………しかし時が流れると………魂は肉体へ戻り………再び生きる機能を取り戻す………古代エジプトではそう伝えられているんだ………古代エジプトでは現世から来世への移動は………転生ではなく復活と云う言葉が適切になる………其の為に肉体が残っていなければならないので………ミイラと云う形で保存をする………此れがミイラの誕生の理由だ…………
 さて………次はミイラ一つの作り方…………必要な物は大量の塩と各種用具………材料は内臓を入れる小さなイレモノ………本場で云うカノプス及びカノポスと呼ばれる壷と………ミイラにしたい人間一人だ………手に入れるなら………既に生を放棄した物の方が楽なのだが………特定の人間をミイラにしたくて………魂云々に拘らないのなら………其の人間に死を与えてから………躰を手に入れるのが………最も手っ取り早い…………でも残念ながら………其方側では殺人は犯罪のようだ………其れを頭に入れた上で………行動を起こすように………
 次はミイラの作り方だ………実際に作る時最も気を付けるべきは………先述通りに腐敗だ………其の為に内臓等は取り除く必要がある………当然の事だが………ただ取り出すだけでは………形が悪くなってしまう為………脳は砕いて鼻の穴から取り出す………ミイラが大量に製造されたエジプトには………其れ専用の器具………すまないが名前は存じないがある………此れは方法だけ見ると………昔の流産の方法と大差無いね………胎児の骨ごと砕くだけ………後者の方が大変のような気もするな…………此方の詳しい説明は控えるよ………流産する側の女性と同じ性別の者としては………流石に発言したくない内容なのでね………ミイラは構わないのか、と思うだろうけれど………ミイラは既に死んだ者を加工しているだけだし………古代エジプトの人間達は其れ等を………良い意味で行っているからね………悲しみの多い流産とは違うよ……………また、話が逸れたね…………次に手を加えるのは………内臓だ………少し昔は内臓はそのまま取り除くのかと思っていたのだが………如何やら先述しておいたカノプスと云う壷に収め………また体内に戻すようだ………カノプスは四種類あり………其々人、犬、ジャッカル、隼を象った形となっている………どの容器に何処の臓器が入れられるのかは………すまないが私は存じない………もしも知っているなら………お教え頂けると嬉しいよ………………今日は話が脱線しすぎて進まないな………内臓を取り出す為の切り口は………何故か左脇腹と相場が決まっている………裂かれた皮膚の隙間から内臓を………一つ一つ丁寧に断ち切っていく訳だが………此処でのポイントを一つ………たった一つ、心臓だけは残しておくんだ………心臓は魂が躰に戻った時に………記憶等を取り戻す為に残しておくらしい…………心臓は文字通り、心の臓だ………記憶は脳ではなく心にされると云う訳だね………フフッ………意外に面白い小細工をする物だ…………折角の防腐も………此れ一つが壊すかもしれないのにね………だがあくまで………古代エジプトでのミイラは………肉体を留めておくのが目的だ………第一目的の前では問題の一つ程度………軽いのかもしれないね……………以上の作業が終わると、カノプスは封印される………そして遺体を丹念に洗い………最も時間の必要な乾燥の作業に入るんだ………塩漬けにし………油を塗り………包帯を巻く…………包帯は実に100メートル以上あると云われる物もある………否、100メートル以上の物の方が多い………此れでミイラは完成だ………実際は呪文や………埋葬前の儀式もあるのだが………ミイラ自体の作り方に着目したので………此処では省略させて頂く………
 文章を書き終えた後に………読み返してみると………大して耐性の必要な文章ではなかったな………まあ、其れも其れ………思い通りにいかないのも………また自らを成長させる一興、か………兎に角………読んで頂けてとても嬉しいよ………
 魂の還るべき場所としての肉体………此れが古代エジプトでの考え方であるのに対して…………私は魂ある処に肉体あり、と………正反対の様でとても酷似した考えを持っている………だから、生前の姿を留めさせようとする努力………そして技術はとても魅力的に思う………此処まで説明しておいて………否定的な意見を云うのは如何かと思われるかもしれないが………滅びてしまった肉体は………ただの抜け殻にしかなりえないんだ………姿を見つめられるのはとても嬉しい…………だからと云って、私は其れだけでは………一人きりでは満足出来ない…………だから、君の心も躰も………いつか必ず私の物にしてみせるよ………
 …それでは………戻ろうか………
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