彼女の“Modern…” /premier amour


平成16月12月20日 彼女の“Modern…”
千影 「やあ………さく…」
咲耶 「ハァイ、千影ちゃん、ラブよっ!」
千影 「なっ………!さ、咲耶ちゃん…………だ、抱き付かないでくれるかい………?」
咲耶 「あら、如何して?嫌だったかしら。なら止めるけど」
千影 「嫌、じゃないが…………恥ずかしいから………」
咲耶 「ウフフッ…そう。せっかくのお誕生日プレゼントなのに、残念」
千影 「…私なんかが君に抱き付く許可を出すだけで………君は其れが………私からのプレゼントであると………納得するのかい………?」
咲耶 「ううん、しないわよ。許可されなくてもしたければするもの」
千影 「…らしいね………まあ、其れなら良かった………」
咲耶 「良かった、って?」
千影 「ああ………プレゼントを用意したんだ………先刻のだけで満足されると………渡しにくいのでね………」
咲耶 「そう云う事…心配なんてしなくても、勿論受け取るわ」
千影 「ありがとう………此れ………気に入ってくれると良いのだが………」
咲耶 「あら、プレゼントは千影ちゃん♪とかじゃないの?」
千影 「…ありえないね………さっさと受け取り給え………」
咲耶 「はーい」
千影 「はい………誕生日おめでとう、咲耶ちゃん………」
咲耶 「ありがとう、千影ちゃん。後で自分の部屋で開けさせてもらうわね」
千影 「……え……?」
咲耶 「…?如何したの?」
千影 「いや………別に………何でも………」
咲耶 「あ、もしかして……自分の目でリアクション見れないと不安…とか?」
千影 「…正解………」
咲耶 「思ってたより素直な返事ね」
千影 「君が其処まで察しているんだ………隠す理由がない………」
咲耶 「普段から其のくらい素直に気持ちを云えば良いのに…お兄様、鈍感だから。勿論私にも、ね」
千影 「私は君とは違うんだ………したくても出来ないよ………」
咲耶 「『したくても出来ない』って、ニュアンスはどうあれ、結果的に『してない』って事でしょう?」
千影 「………そうだね………胸が痛いよ………分かった、善処する………」
咲耶 「其れでよろしい♪私も負けないわよ」
千影 「フフッ………望むところだ………」


平成16月11月2日
千影 「やあ………亞里亞ちゃん………よく来てくれたね………」
亞里亞 「はい。亞里亞、皆からのプレゼント…全部開けたから来ました」
千影 「フフッ………そうかい…………だが、随分の量があったようだけれど………あれを全て開けたのかい………?」
亞里亞 「ううん、違います…千影ちゃん達や兄やに貰った分を…開けたの」
千影 「なるほど…………家族から貰った物以外は………まだ開けていない訳か………」
亞里亞 「あ……でも、じいやに朝から貰ったプレゼントは…一番に開けちゃいました」
千影 「ほぉ………何を貰ったんだい………?」
亞里亞 「………くすくす……」
千影 「………?」
亞里亞 「其れは、秘密……です」
千影 「…ふっ………そうか………ならば詮索はしないよ……………君は其れを貰えて………嬉しいかい………?」
亞里亞 「……はい」
千影 「……よろしい………ところで………私からのプレゼントは………お気に召して頂けたかな………?」
亞里亞 「……亞里亞、この前…あったかいお部屋で薔薇の花を摘んでたの…」
千影 「温室、だね………」
亞里亞 「そうしたら……くすん……薔薇の刺が…亞里亞のお気に入りの手袋に…引っかかっちゃって……くすん……ビリビリッて………切れちゃって……くすん……くすん……」
千影 「……其れは………災難だったね………」
亞里亞 「くすん………だからね、亞里亞は千影ちゃんが手袋をプレゼントしてくれて……とっても嬉しいです」
千影 「フフフッ………喜んで頂けて、光栄だよ………ならば安心だ………君に改めて云うよ………誕生日おめでとう…………君と………君が此処にいる事実を作り上げた者達に………心から感謝する………」
亞里亞 「…ありがとうございます、千影ちゃん」
千影 「ふっ…………ん………おや………もうこんな時間か………亞里亞ちゃん………じいやさんが心配してしまう前に………戻ると良い………」
亞里亞 「分かりました……あ、千影ちゃん…?」
千影 「……何だい………?」
亞里亞 「亞里亞の好きなプレゼントをくれる千影ちゃん……大好きです」
千影 「………ほ、ほら………もう瞳を閉じて…………今、送るよ………君のあるべき、現世へと………」
亞里亞 「うん……バイバイ、千影ちゃん」
千影 「またね………亞里亞ちゃん………」



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